Vol.295 2020.2.18

音楽・美術の旅 メールニュース
 
Column

秘湯を訪ねて その2

午前10時にミラノを出発したので、13時を回ったあたり目的地に到着している。まずはホテルを目指しチェックイン。一泊だけの旅なので大した荷物はないのだが、とりあえずスーツケースだけを預けて食事に出掛けることにした。
ホテルからボルミオの中心部までは車で15分くらい掛かっただろうか。一度来た道を戻る感じになるが、標高の高いところにホテルがあるので、山から繁華街へ移動した感じになる。

かなり空腹を感じている。考えてみたら朝起きてからまだ何も口に入れていない。誰に急かされるわけでもなく、出発前のあれやれこれやれ状態に巻かれてしまい、そのまま車に飛び乗った、そんな感じである。
空腹ゆえ何でもよいから食べたいという衝動は、残念な結果を招くことが多い。雪が少ない(ほとんどない)とはいえ、スキーのゲレンデを複数抱える町である。観光客に合わせてスキーを目的に訪れる人々がほとんどであり、昼食時は町の飲食店も大方賑わいをみせている。

「もうどこでもいいんじゃない!」という家内の声を聞かずとも、どこか近くのレストランに飛び込んでしまいたいお腹の具合。そのような気持ちを理性もって抑えなければならないのである。自分だけでも冷静になり、店構えや、店頭にあるメニューとしばらくの間睨みあう。窓越しに眺めてみるだけではあるが、良さそうなお店というのは必ずよい香りのようなものが漂ってくる。食いしん坊ならではの勘なのであろう。中々外れることはない。

3つあるレストランを通り過ぎた後に“いかにも”という店構えをした飲食店が目の前に現れた。飾り気はないが小奇麗であり、ウェーターが小気味よく動き回る様子が窺える店内。ドアを開けると、スキーウェアのままの外からの客に混ざり、地元の常連らしき人々も見える。何より心地よいのが店内の声の鳴りである。暖色に響きわたる客と店員の会話を聞くことで大体のレベルが見えてくるのである。我ながら不思議な才能かとは思うが、よいお店に巡り会う確率は極めて高い。
家内と二人、奥のテーブルに腰を下ろすとすでに2時前ということもあって食事を終えた客が少しずつ席を立ちはじめる。どのテーブルを見渡しても食べ残しがほとんどなく、ウェーターに「美味しかった、ありがとう!」という声が聞こえて食事に満足した様子が伺える。
「英語のメニューにする?」と東洋人の我々にイタリア語で尋ねるところが田舎の町らしくてかわいい。「大丈夫、イタリア語のメニューでいいよ」とイタリア語で応えてあげたらうれしそうにどんどん語りかけてくるところも心地よいものである。

堂満尚樹(音楽ライター)

イタリア名門歌劇場めぐり!
トリノ&ミラノ&ヴェネツィア 10日間

2020年6月19日(金)~6月28日(日)

本旅行での鑑賞公演

■ロッシーニ《セヴィリャの理髪師》-新制作-
6月20日(土)20:00開演 トリノ王立歌劇場
指揮:M.ベルトラーミ
演出:V.ボレッリ
出演予定:R.バルベラ、C.アマルー、C.レポーレ、S.d.サヴィオ、M. ミミカほか

■ジョルダーノ《フェドーラ》-新制作-
6月22日(月)20:00開演 ミラノ・スカラ座
指揮:D.オーレン
演出:M.マルトーネ
出演予定:S.ヨンチェヴァ、R. アラーニャ、M.カヴァレッティ、M. シチーリアほか

■ヴェルディ《仮面舞踏会》-新制作-
6月23日(火)20:00開演 ミラノ・スカラ座
指揮:Z.メータ
演出:G.サルヴァトレス
出演予定:F.サルトーリ、S.エルナンデス、L.サルシ、V.ウルマーナほか

■ドニゼッティ《ロベルト・デヴリュー》
6月26日(金)19:00開演 フェニーチェ歌劇場
指揮:R.フリッツァ
演出:A.アントニオッツィ
出演予定:R.マンテーニャ、E.スカラ、A.ルオンゴ、L. イェルシュタほか


別途手配鑑賞公演のご案内

旅行代金に含まれる上記4公演の他、さらに鑑賞ご希望の方には、下記公演のチケット手配を承ります。(別料金)

◆ヴェルディ《シモン・ボッカネグラ》
6月21日(日)15:00開演 トリノ王立歌劇場
指揮:P.G.モランディ
演出:S.ブソッティ(原演出:V.ボレッリ)
出演予定:C.アルバレス、M.ペルトゥージ、R.アロニカ、R.d.カンディア、R.ロカールほか

◆ヘンデル《リナルド》
6月25日(木)19:00開演 フェニーチェ歌劇場
指揮:A.マルコン
演出:P.L.ピッツィ
出演予定:T.イエルヴォリーノ、C.レミージョ、L.コルテッラッツィ、A. パトゥチェッリほか

名門オーケストラめぐり!
ベルリン&アムステルダム&ウィーン 11日間

2020年6月5日(金)~6月15日(月)

本旅行での鑑賞公演

旅行代金には、下記4公演のチケット代が含まれております。

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

6月6日(土)19:00開演 ベルリン・フィルハーモニー(大ホール)
指揮:未発表
ピアノ:D.マツーエフ
トランペット:G.ジェル
ショスタコーヴィチ《交響曲 第9番 変ホ長調》
ショスタコーヴィチ《ピアノ協奏曲 第1番 ハ短調》
ストラヴィンスキー《バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)
※M.ヤンソンス死去により、指揮者が未発表となっております。

ロイヤル・ コンセルトヘボウ管弦楽団

6月10日(水)20:15開演 コンセルトヘボウ(大ホール)
指揮:C.ティーレマン
ブルックナー《交響曲 第5番 変ロ長調》

ウィーン交響楽団

6月12日(金)19:30開演 楽友協会(大ホール)
指揮:P.ジョルダン
ソリスト:C.ニールンド、E.マギー、M.ヤンコヴァ、S.コノリー、M.シュスター、B.フリッツ、I. ペイターソン、J.レリエ
合唱:ウィーン楽友協会合唱団、ウィーン・ジングアカデミー、ウィーン少年合唱団
マーラー《交響曲 第8番 変ホ長調「千人の交響曲」》

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

6月13日(土)15:30開演 楽友協会(大ホール)
指揮:D.バレンボイム
メゾソプラノ:O.v.d.ダメラウ
マーラー《亡き子を偲ぶ歌》
マーラー《交響曲 第5番 嬰ハ短調》


別手配鑑賞公演(別料金)のご案内

ムソルグスキー 《ホヴァーンシチナ(ストラヴィンスキー版)》-新制作(初日)-

6月7日(日)18:00開演 ベルリン国立歌劇場
指揮:V.ユロフスキ
演出:C.グート
出演予定:M.カレス、S.スコロホドフ、J.ダザック、V.スリムスキー、G.シーゲル、A.サムイルほか

ベッリーニ《夢遊病の女》

6月7日(日)19:30開演 ベルリン・ドイツ・オペラ
指揮:S.クアトリーニ
演出:J.ヴィーラー&S.モラビート
出演予定:J.カマレナ、R.フェオーラ、 H.シュナイダーマン、A. スタヴラカキスほか

ドヴォルザーク《ルサルカ》-新制作-

6月9日(火)19:00開演 オランダ国立歌劇場
指揮:J.フルシャ
演出:P.シュテルツル
演奏:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
出演予定:B.ジャッジ、E.ブラット、 D.イヴァシュチェンコ、A.ラーションほか

ウィーン・フィルのメンバーによる室内楽コンサート

6月13日(土)11:00頃開演 ウィーン国立歌劇場(マーラー・ザール)
ヴァイオリン:A.ピンカス、T.キューブルベック
ヴィオラ:T.キューン
チェロ:D.ペンネツドルファー
ベートーヴェン《弦楽四重奏曲 第12番 変ホ長調》
ベートーヴェン《弦楽四重奏曲 第13番 変ロ長調》

ヴェルディ《アイーダ》

6月13日(土)19:00頃開演 ウィーン国立歌劇場
指揮:M.アルミリアート
演出:N.ジョエル
出演予定:S.ラドヴァノフスキー、Y.エイヴァゾフ、E.グバノヴァ、A.マエストリほか

≪速報≫ サリエーリ(サリエリ)に逢いにいく

2020年10月出発予定

サリエーリ(サリエリ)・ファン “サリエリスト” 待望の音楽鑑賞ツアーがついに登場!
『サリエーリ 生涯と作品』の著者 水谷彰良氏とともに、生まれ故郷レニャーゴを訪ね、ヴェネツィアでサリエーリ(サリエリ)とモーツァルトのオペラを鑑賞、生涯の大半を過ごしたウィーンなどサリエーリゆかりの地をめぐります。
(ツアー実施予定 2020年10月~)

フォトギャラリー

「音楽評論家 水谷彰良と行く ペーザロ・ロッシーニ音楽祭&ザルツブルク音楽祭10日間」、「音楽評論家加藤 浩子と行く ミラノ・スカラ座&スペイン名門歌劇場めぐり11日間」の写真をアップしました!


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